後遺障害等級認定に納得いかない場合の異議申立方法
交通事故で傷害を負ってしまうと、適切な治療を受けても後遺障害が残ってしまうことがありますよね。その場合には、後遺障害等級認定を受けることで後遺障害慰謝料を受け取ることができます。
しかし実際には、思っていたよりも低い等級に認定されてしまったり、非該当になって認定自体されないことが多くあります。
後遺障害等級認定に納得がいかない場合には、異議申立といって再審査を請求できます。
後遺障害等級認定の異議申立の手順と注意点について解説します。
後遺障害等級認定の異議申立に期限はないが早めに相談を
後遺障害等級認定の結果について異議申立をすることに期限はありません。
ただし、相手方への損害賠償請求権の時効が原則的に病状固定から3年ですから、異議申立も時効成立前に行う必要があります。訴訟を起こすと時効が中断しますので、どうしても間に合わない場合には3年以内に相手方に対して裁判を起こすこともあります。
自賠責保険の時効も症状固定から3年ですが、こちらは時効中断申請書を提出することで3年間延長できます。
準備期間や手続きにかかる時間を考えると、3年間は決して長くはありません。後遺障害等級認定の結果に少しでも疑問を感じたら、早めに弁護士へ相談した方がよいでしょう。
後遺障害等級認定の異議申立は何度でもできる
後遺障害等級認定の結果について、異議申立をすることに回数の制限はありません。しかし何度異議申立をしても、申し立て内容に新たな重要事項がなければ審査結果が変わる見込みはありません。
より詳しい資料や、新たな資料など、異議申立が認められるための資料集めが不可欠です。
後遺障害等級の異議申立の書式と書き方
後遺障害等級認定の審査は、一部の例外を除き書類ですべてが決まります。異議申立をする際も、どのような資料を提出するかで結果が変わってしまうのです。
そのため、異議申立の書類作成は弁護士に任せるのが得策でしょう。
後遺障害等級認定の結果についての異議申立に決まった書式はありません。提出先や日付などの必要事項と、異議申立をすることの趣旨(理由)を記載します。保険会社で異議申立書をもらって、そこへ必要事項を記入しても大丈夫です。
異議申立の理由が重要
後遺障害等級認定の結果を覆す根拠となるのが、異議申立の理由です。すでに受けた認定結果が妥当でないことを具体的に指摘しなければいけません。
後遺障害等級認定の認定基準を満たしていることを、医師の診断書やレントゲンなどの画像データを用いながら客観的に証明しなければいけないのです。
異議申立書に添付するもの
異議申立書には、異議申立の理由が証明できる診断書や検査資料を添付します。事故状況のわかるものや診療報酬明細書などを添付することもあります。前回と同じ資料を提出しても結果は変わりませんから、不足していたものを補う必要があります。
異議申立書の提出先
事前認定(加害者の任意保険会社を通じて行う場合)では、異議申立書を加害者側の任意保険会社へ提出します。被害者請求(被害者または代理人が加害者側の自賠責保険に請求する方法)では、直接加害者側の自賠責保険会社に提出します。
<異議申立書への記載内容> | |
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申請先 | 事前認定の場合は任意保険会社 被害者請求の場合は自賠責保険会社 |
日付 | 申立書を作成した日 |
申立人 | 被害者の氏名・連絡先(代理人が請求する場合は代理人の氏名・連絡先) |
証明書番号・事故日・被害者名 | 交通事故証明書に記載してある証明書番号・事故日を記載 |
添付資料名 | 添付資料がある場合はその書類名を記載 |
異議申立の趣旨(理由) | 前回の認定結果のどこに異議があるのか、どのような認定結果を望むのか、その根拠は何かを客観的事実に基づき記載 |
後遺障害等級認定の異議申立が認められるためのハードルは高い
後遺障害等級認定の結果に納得できない方は多いですし、異議申立は何度でもできます。
しかし、実際のところ異議申立によって後遺障害等級認定の結果を覆せる可能性は低いものです。
前回の認定が納得のいかないものだった原因を探り、例えばその原因が資料の不足ならば適切な資料の作成と添付をしなければいけません。
異議申立では被害者の主観的な主張のみでは認められる可能性は低く、客観的にみて相当と認められる資料を提出できるか否かにかかっているといっても過言ではありません。
納得のいく後遺障害等級を獲得するために何をすべきか
弁護士の適切なサポートを受けることで異議申立により非認定が覆る、または等級が上がる可能性があります。
交通事故の被害で後遺障害になってしまった方は、弁護士に相談して適切な後遺障害等級認定を獲得できるように早めの対策をすることをおすすめします。
後遺障害等級認定に強い弁護士とは
後遺障害等級認定の手続きでは、診断書・画像データなどの客観的な資料集めや、後遺障害認定についての専門的な知識が必要です。
異議申立をする場合にも、なぜ前回の審査で納得のいく結果を得られなかったのかを見抜かなければ結果はかわりません。
後遺障害等級認定の結果に納得がいかない場合は、交通事故の後遺障害に詳しい弁護士へ相談しましょう。
当事務所では、交通事故被害者の方の後遺障害等級認定について積極的にサポートいたします。異議申立を検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。