健康保険の利用 交通事故に遭ってしまった方へ
交通事故によって負傷した場合、健康保険を利用して治療を受けることも可能です。負傷の程度によっては、健康保険を利用して治療を受けたほうが、結果的に自己負担額が少なくて済むケースもあるのです。
一方で、入院の必要もない軽傷で、診察も1~2回で終わるようであれば、健康保険は使わずにいったん自費で支払い、その後、支払った医療費を加害者に請求する方法もあります。どちらがより効果的かは、ケースバイケースとなっているのです。今回は、健康保険の利用に関して詳しくご説明します。
健康保険とはどういったものか?
では、そもそも健康保険はどういったものなのでしょうか?健康保険は、病気やケガ、それに伴い休業などがあった場合の予期できなかった出費に備えるための医療保険制度のことで、国民健康保険や社会保険などとも呼ばれ、日本に住んでいる方は必ず健康保険に加入していなければなりません。
会社などから給与を得ている方の場合、社会保険に加入していることが多いですが、加入していない場合でも各市町村が運営する国民健康保険への加入が強制であることから、すべての方が健康保険を利用した治療を受けられます。
健康保険を利用するかどうかの判断
冒頭で触れたような軽い治療であれば、治療費はさほど大きくありませんので、あえて健康保険を利用するかの是非を検討する必要はあまりありません。しかし、入院した場合には相当な治療費がかかることになりますので、収入が減少しているとなれば、自己負担し続けるのは容易ではありません。
こういった場合には、健康保険の利用を検討します。また、交通事故の後遺症というのは、受傷時にはどの程度残存するのかわからないケースもあり、むち打ち症などでも、長期間にわたり症状に苦しむ方もいらっしゃいます。交通事故後、一見、大きな問題がなさそうであったとしても、必ず専門医の診断を受け、治療状況に応じて健康保険を利用するか判断しましょう。
過失相殺がある場合の健康保険利用
交通事故の状況から、自身にも非があった場合は、過失相殺される恐れがあります。交通事故による診療で健康保険を利用しないと、自費診療となり、健康保険を使った場合の約2倍の治療費を請求されることが通常です。
ですので、過失相殺される場合には、健康保険を使用していないと高額な治療費から過失相殺をされることになり、自賠責保険の120万円の枠を治療費で使い切ってしまうなど、最終的に受け取る金額が少なくなってしまうことも起こります。
しかし、健康保険を利用したほうが有利に働くか否かは専門知識を要する上に、ケースバイケースといえる面が強く、一般の方が判断するのは難しいのが実情です。
健康保険の利用を迷っている方へ
健康保険の利用をすべきかどうか、自分の判断だけで決められない場合は、当事務所にご相談いただければ的確なアドバイスをさせていただきます。
当事務所は、過去の実績からもおわかりいただける通り、様々なケースに対応できる経験と知識を持ち合わせています。安心してお任せいただければと存じます。