頸椎捻挫

頸椎捻挫とは、追突事故など自動車事故の強い衝撃により、頸椎が強くしなるような、いわゆるむちうち損傷の形態などで受傷し、その際に頸椎の軟部組織が損傷し、そのことにより頚部症状を主体とする全身的に多彩な症状を生じる症候群をいいます。頸椎捻挫は、頸部の筋の過度の伸張ないし部分断裂や、前後縦靭帯、椎間関節包などの過度の伸張、断裂などにより症状が生じていると考えられています。

頸椎捻挫の主症状は、頸部や肩甲部の筋などの圧痛、頸部周囲の運動制限、運動痛などですが、吐き気めまいなどを伴うこともよくあります。

MRI等の画像所見で異常が確認できる場合もありますが、MRIにおいても軟部組織の損傷を診断することが難しいこともあります。

頸椎捻挫は、多くの場合は保存療法などを行うことによって短期間で自然軽快しますが、症状が長期化し、症状固定の時点で後遺症が残る場合もあります。この場合、後遺障害等級認定は、12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)、14級9号(局部に神経症状を残すもの)、非該当のいずれかとなります。画像やそのほかの他覚的所見で症状が証明できれば12級に、それが難しい場合でも医学的に説明できれば14級に、それも難しければ非該当になる傾向があります。