早期相談のメリット
「最初から弁護士に任せるのは費用が余分にかかりそう」「示談が始まるのは症状固定からなんだから、とりあえず症状固定まで待とう」などの理由で弁護士に相談することを後回しにしていませんか?ここでは、交通事故後の早期の段階で弁護士に相談することのメリットをご説明いたします。一番のメリットは、後々相手方に請求できるものとできないもののアドバイスをすることができることです。
病院に行くのにタクシーを使われる方
交通事故の損害賠償請求の典型的な費目の一つである入退院・通院時の交通手段としてタクシーを利用したときに、そのタクシー代を請求することができるのか、ということがよく問題になります。通院などで公共交通機関を利用された場合には、実費相当額分の損害を認めるのが裁判所の立場です。しかし、タクシーを利用される場合にはタクシー代の請求ができない場合があります。傷害の内容や程度、交通の便等からみて、公共交通機関を利用することができるにもかかわらずタクシーを利用していた場合には、裁判所は、因果関係がないものとしてタクシー代を損害として認めない傾向にあります。
病院での治療以外の整骨院等での施術にかかったの費用は請求できるのか。
被害者の自己判断で、病院ではなく整骨院・接骨院における施術、鍼灸、マッサージなどを受け、これらにかかった費用を請求しようとする方もいらっしゃいます。事故にあったんだから治療等にかかった費用を、全て加害者に請求できて当然と思われている方も多いのではないでしょうか。
しかし、整体、鍼灸、マッサージ等は医師法による医師の資格を有しない「施術」であるため、原則として医師の指示がない限り、賠償として認められません。医師の指示がない場合でも、上記の施術等が症状により有効かつ相当であり、その施術を受けることによって症状が軽快し、快方に向かっていることがうかがえるなどの経緯があることを立証する必要があります(東京地判平成16.6.27)。この立証のハードルは高いです。整体などの施術をご希望の場合には、まずは医師の方に相談をしていただく必要があります。
車が破損させられた。代車を利用したいと考えている方。
事故により車両の修理又は買い替えのために代車を使用する必要があり、レンタカー等を実際に使用した場合には、相当な修理期間又は買替期間につき、相当額の単価を基準として代車使用料が認められます。あくまで代車利用の必要性が認められなければなりません。交通事故に遭われた方は、「当然代車料も加害者に請求できるだろう」と思われて気軽に代車を利用していると、後々請求できないことがあります。
証拠保全の観点から。
治療費や交通費などを請求するためには、その費用を支払ったことを示すもの、つまり証拠が必要となります。領収書やレシートは捨てたり失くしたりしがちです。しかし、実際に加害者に請求する場合にはこういった領収書が必要となります。また、過失相殺が争われている場合にはドライブレコーダーの映像を証拠とすることが有益です。しかし、ドライブレコーダーは保存容量が限られていますので、早期に映像の保全をしておく必要があります。弁護士にご相談いただければ、どういう証拠が今後必要になるのかをアドバイスし、早期に証拠を保全することができます。
ご紹介したものは弁護士ができるアドバイスのほんの一部です。交通事故分野には、医学的見地、保険制度の理解、法律の知識などが必要となる複雑な分野です。当事務所では、医療にも交通事故にも詳しい弁護士が、交通事故でお困りのみなさまの対応にあたらせていただきます。