自転車事故の賠償責任
自転車を運転中に事故を起こして他人を傷付けてしまった場合、自転車の運転者は不法行為責任を負います(民法709条)。また、運転者が子供であって責任無能力者とされる場合には、親が監督義務者としての賠償責任を負うことがあります(民法714条)。
自転車事故も交通事故の一種ですから、基本的には交通事故の損害算定基準が適用され、特に被害者が死亡した場合や重篤な後遺障害が残存した場合には高額な賠償義務が発生します。
近年では9000万円を超える賠償を命じる判決も出ていますが、仮に賠償を命じる判決が出たとしても、加害者に資力がない場合には被害者側は十分な金銭を受け取ることができず、被害者救済は画餅に帰すことになります。
このような背景もあり、自転車事故に対応する保険が注目されています。
自転車事故による対人・対物賠償を補償してくれる保険は、自転車保険として発売されているものだけではありません。自動車保険や火災保険の特約、クレジットカード・携帯電話会社が利用者向けに発売している個人賠償責任補償保険などもあります。
また、せっかく保険に入っていたにもかかわらず、事故を起こしてしまった際、保険の存在に気が付かないことも少なくありませんのでご注意下さい。
その他にも、被害者側が自動車保険の人身傷害補償保険に加入している場合には、自転車事故で負った怪我に対する補償をしてくれるものもありますので(但し、保険金額の範囲内で、かつ、約款に規定された計算方法に従い保険金が支払われます。)、いざという時に備えて、ご自身の加入する保険の補償範囲を確認しておくことが大切です。
詳細は、交通事故に詳しい弁護士にご相談ください。