交通事故における過失割合
交通事故の被害者が信号無視したことにより交通事故が発生したなど、加害者のみならず被害者にも過失がある場合は、その過失割合に応じて損害額が減額されます。
過失相殺は、慰謝料など損害額の一部分からのみ過失相殺するといった方法ではなく、損害額全体から過失相殺する方法が一般的です。
別冊判例タイムズ第16巻では、過失相殺率の認定基準を、(1)歩行者と四輪車・単車、(2)四輪車同士、(3)単車と四輪車、(4)自転車と四輪車・単車、(5)高速道路上の交通事故ごとに分類しています。
人損事故においては車両同士の事故、交差点内での交通事故の発生率は他の事故態様と比べて高いという統計結果がありますが、この場合の過失割合について、具体的な例を用いて検討してみましょう。
ケース1:信号機のある交差点で、青信号で直進四輪車(被害車両)が対向車線の右折四輪車(加害車両)に衝突したとき
基本的な過失割合は8:2になります。
この場合、直進車にも前方不注視などの一定の過失があるとみなされます。
加害者が徐行していない場合には過失割合が9:1になるなど被害者の過失割合は減りますが、逆に、被害者がスピードを出しすぎていたなどの事情があれば、被害者の過失割合は増えます。
ケース2:交差点手前で直進単車(被害車両)を追い越し、左折しようとした四輪車(加害車両)が衝突したとき
基本的な過失割合は8:2となります。直進単車の運転者が横を向いて後ろの同乗者と話していた場合は過失割合が7:3に、左折四輪車がウインカーを出さないまま左折を試みた場合は9:1になります。
以上のとおり、過失割合は個々の交通事故の状況により決まりますので、詳細については交通事故に詳しい弁護士にお尋ねください。