交通事故と休業損害
交通事故等に遭ってから、症状固定あるいは治癒までの間に、通院等のために仕事を休まざるを得なかったことに伴う損害や、家事などの主婦業ができなかったことに伴う損害を「休業損害」といいます。
また、交通事故時に仕事をしていなかったとしても、労働能力及び労働意欲があり、間近な将来に就労を開始する蓋然性が高いとされる人などは、加害者に対し、休業損害を請求することが可能です。
休業損害の算定方法は、(1)給与所得者(2)事業所得者(3)会社役員(4)家事従事者(5)無職者で異なります。
給与所得者が有給休暇を取得し通院した場合、有給休暇分の給与がすでに勤務先より支給されていた場合でも、その有給休暇の日数分の休業損害を請求することができます。
また、治療のため欠勤して通院したために翌年度の有給休暇請求権を取得できなかったケースで、20日分の有給休暇請求権について賠償を認めた判例もあります(東京地判平成16年8月25日)。
もちろん家事従事者に該当するか否かは性別を問われないのですが、損害額を算定する際には、たとえ男性の家事従事者であっても、学歴計・女性全年齢平均賃金を基礎とすることが多いです。家事従事者は、家族のために家事をしていることが前提ですので、たとえば一人暮らしのOLの家事労働については休業損害が認められません。なお、症状固定後の休業等の就業に関する損害は、後遺障害の逸失利益として算定されます。
詳細は、交通事故に詳しい弁護士にご相談ください。