交通事故における損害・慰謝料

1 慰謝料

 交通事故における慰謝料とは、交通事故によって生じた精神的な損害の賠償金のことをいいます。交通事故における慰謝料には、死亡慰謝料、傷害慰謝料、後遺障害慰謝料がありますが、今回は、傷害慰謝料と後遺障害慰謝料について説明を致します。

2 傷害慰謝料

 傷害慰謝料とは、怪我をしたことに対する精神的な損害の賠償金のことをいいます。
 傷害慰謝料の算定は、入通院の期間の長さに対応して損害額が定められている表を用いて行うことが一般です。例えば、大阪での事故で使用されることが多い「交通事故損害賠償額算定のしおり」(大阪弁護士会交通事故委員会発行)記載の表によれば、入院期間1か月、通院期間6か月ならば、153万円という損害額になります(平成26年7月改訂「交通事故損害賠償額算定のしおり」参照)。
 算定の基礎とする通院期間については、実際の通院期間(通院の始期と通院の終期の間の日数)を原則としますが、通院が長期にわたり、かつ、不規則な場合は、実際の通院期間と実通院日数(実際に通院した日数)を3.5倍した日数とを比較して、少ない方の日数を算定の基礎とします。例えば、ある人が交通事故に遭い、その人の実際の通院期間が平成20年3月1日から平成24年2月28日で、月に20回通院した月もある一方で、月に1回しか通院しない月もあり、その期間における実通院日数が300日であったとします。実際の通院期間は、4年×365日=1460日であり、実通院日数を3.5倍した日数は、300日×3.5倍=1050日となります。したがって、少ない方である1050日=35か月が通院期間の算定の基礎となります。

3 後遺障害慰謝料

 後遺障害慰謝料とは、後遺障害が残存したことに対する精神的な損害の賠償金のことをいいます。後遺障害慰謝料の算定は、後遺障害等級に対応した損害額が定められており、それを用いて行うのが一般です。例えば、大阪での事故で使用されることが多い「交通事故損害賠償額算定のしおり」(大阪弁護士会交通事故委員会発行)記載の表によれば、後遺障害の程度として最も軽い第14級の場合には後遺障害慰謝料の額は110万円であり、一方で後遺障害の程度として最も重い1級の場合には、後遺障害慰謝料の額は2800万円となっています(平成26年7月改訂「交通事故損害賠償額算定のしおり」参照)。

4 最後に 

 保険会社が提示してくる慰謝料の額は、上記のような基準の金額よりも低額であることがほとんどです。示談交渉を弁護士に依頼することで、慰謝料の額を上記の基準近くまで引き上げられることが多いです。

大阪A&M法律事務所では交通事故の被害者の方の相談をお待ちしております。