第1事故の加療中に第2事故に遭い、その後の治療費の支払いを拒否されたが、ADR手続により支払いがなされた事案

ご相談内容

被害者 30代会社員女性
部位 首、腰、右股関節、右手首
傷病名 頚椎捻挫、腰椎捻挫、右股関節捻挫、右手首捻挫
後遺障害等級 後遺障害なし
獲得金額 52万円

第1事故の加療中に第2事故に遭われた方からのご相談でした。第1事故は、自動車で信号待ち停車中に後方から来た自動車に追突され、頚椎捻挫、腰椎捻挫等の怪我を負ったものです。

第2事故は、駐車場に駐車して運転席から後部座席の荷物を取ろうと振り返っていたところに、隣の駐車枠に駐車しようとした自動車に逆突され、頚椎捻挫、腰椎捻挫、右股関節捻挫、右手首捻挫等の怪我を負ったものです。

第2事故に遭ったのは、第1事故から約1か月後で、第1事故による頚椎捻挫、腰椎捻挫の治療のため通院加療を受けているところでした。

しかし、第2事故に遭ったことで、第1事故の相手方保険会社からは、第2事故以降の治療費の支払いはできないと言われ、一方、第2事故の相手方保険会社からは、駐車中の逆突で事故態様が軽微であることを理由に治療費の支払いを拒否されたため、当事務所にご相談に来られました。

サポートの流れ

項目 サポート前 サポート後 増額幅
後遺障害等級 非該当 非該当
治療費 4 12 8
通院慰謝料 0 39 39
休業損害 0 1 1
合計 4 52 48
単位:万円

まずは、弁護士が交渉の窓口になることで治療に専念していただきました。幸い、後遺障害は残らず治癒したため、第1事故及び第2事故の相手方保険会社に対し、それぞれ治療費や通院慰謝料を中心とする損害賠償の請求をしました。

そして、第1事故の相手方保険会社と第2事故の相手方保険会社との間で、適切な負担割合を決めて損害の賠償をしてもらうことを目的に、ADR手続(裁判外紛争解決手続)の一つである交通事故紛争処理センターでの和解あっ旋手続の申立てを行いました。

しかし、第2事故の相手方保険会社は、駐車中の逆突で事故態様が軽微であることを理由に事故により怪我を負ったことを否定し、強固に賠償を拒否しました。

事故態様が軽微でも、たまたま後ろを振り返るような姿勢をしていたところに衝突されたことにより依頼者の方は怪我をし治療が必要になったのですが、それを客観的に立証する証拠は乏しく、依頼者の方も早期の解決を希望されたため、第2事故による治療は必要なかったとの前提で和解を進めることにしました。

つまり、第2事故による怪我がないというのであれば、全ては第1事故による怪我の治療であったとして、第1事故の相手方保険会社に対して全ての賠償を求めることにしたのです。

解決内容

最終的に、第1事故の相手方保険会社から、第2事故でのみ負傷した右手首捻挫に関する治療費等を除く大部分の治療費と、治療期間に対応する裁判基準の通院慰謝料の支払いを受けることができました。

所感(担当弁護士より)

第1事故の通院加療期間中に第2事故に遭うという不運な事案では、第1事故の相手方保険会社と第2事故の相手方保険会社の各々と別個に交渉をすると、保険会社間で意見が食い違い、満足な賠償が受けられないことも多いですが、本件では、ADR手続を利用することで一体的に解決することができました。

紛争解決の手段は、訴訟以外にもADR手続など様々あります。事案やご要望に応じて最適な手段を選択しますので、まずはご相談ください。